伝統的な日本料理を現代風にアレンジ // 大堂 弘樹
アートと食の融合
鹿児島県生まれ。京都和久傳で修業後、東京の「八雲茶寮」立ち上げに参加。2012年に渡米し、アメリカで初めて本格的な精進料理(禅宗に由来するベジタリアン料理の一種)を紹介したレストラン「Kajitsu」の料理長としてミシュラン1つ星を獲得。2016年に独立。同年、懐石料理を現代風にアレンジした「O do」と創作カクテルやハンバーガーメニューを提供する「Hall」をオープン。 2年連続でミシュラン1つ星を獲得。
2020年、パンデミックの真っ只中、オドーは寿司の宅配サービス「Muse」を立ち上げました。彼の最新のビジョンである「THE GALLERY」は、アートと食の融合という最新のコンセプトとして2021年にオープンしました。現在、オドーの会社はマンハッタンでこれら4つの施設すべてを運営しています。
いろは:現在取り組んでいるプロジェクトや、最近注目したい開発内容、今後の計画などについて教えてください。
Hirok i:THE GALLERYは、2021年にクリエイティブの発信地であるニューヨークにオープンしました。アートと食文化を融合させたプロジェクトを発表する場を作りたいと考えていました。多様なバックグラウンドを持つクリエイター同士が交流し、訪れる人々が新しいインスピレーションを見つけられるような場所に成長してほしいと思っています。様々なアートと文化が交差する場所として、私や私の食にインスピレーションを与えてくれた日本を含む多様なアーティストの作品を紹介するエキサイティングな場所になることがTHE GALLERYの最大の使命です。展示やイベントを通じて、新しい価値観を生み出し、ユニークで面白いライフスタイルを提案しながら、社会に何を提供できるかを探っていきたいです。
いろは:日本人が世界中で自分たちの文化を共有し、祝うことについて、どう思いますか?
ヒロキ:日本人は創造性、製造、エンジニアリングの専門知識で知られているかもしれませんが、その知識や専門性を日本国外で伝えるスキルはあまりありません。 私は、自分のメッセージや考えを日本の枠を超えてどう伝えていくか、どうすればより良くなるか、そして未来に何を残せるかを常に考えています。
日本人とアジア人は、米国文化の中で少数派として独自の視点とアイデンティティを持っています。アジア人への憎悪のような社会問題に取り組むには、相互尊重に基づく協力が不可欠だと思います。食と芸術の融合を通じて、私たちとアジア人の間で、そしてアジア人を超えて相互理解と平等を推進していきたいと思います。
いろは:ご自身の経験を踏まえて、世界で活躍したい若者にアドバイスやメッセージをいただけますか?
ヒロキ:これは私たちの企業の社会的責任に関する問いであり、私たち全員で探求したいと思っています。私はよく私たちの存在意義について問いかけます。社会に価値を生み出すために何ができるのか?私たちは何を提供できるのか?私たちの存在意義を問うことは、日々の課題です。なぜなら私たちは常に変化し、進化し続ける世界に生きているからです。急速に変化するこの世界で存在感を維持することは、これまで以上に困難ですが、同時に刺激的なことでもあります。
いろは:仕事以外で今一番興味を持っていることは何ですか?
ヒロキ:私は瞑想を実践しています。東京大学大学院情報学環の客員教授で、禅僧であり宗教学者でもある松原正樹さんが、私のチームのために瞑想プログラムを考案してくれました。自分と向き合うことが、今最も求められているのかもしれません。